逃げられたーーー!
宿代未払い11泊分800豪ドル、約6万円。
40なかばぐらいの、コワモテのおっさん。
チェックインの時から
この人、仮出所中かなと思った。
断りたかったけれど、
オーナーに電話ですでに予約OKをもらったという。
大柄で太った、ピンク色の髪の女性と
ものすごくかわいい金髪の5歳ぐらいの女の子に付き添われてやってきたけれど
身分証明書の類いが一切ないとかゆーから
(なんでOKするんだ、オーナー!)
せめてキー・デポジットとして
20ドルを払ってもらった。
100ドルとかにすりゃよかったよ。
最初は調子よく、
10泊分をぐらい前払いすると、
家財を部屋にガンガン持ち込んで暮らし始めた。
ピンク髪の女性は時々
金髪娘や、時には金髪息子も連れてやってきて、天使のような子供ふたりが
コワモテ男と駐車場で遊んでいたりした。
一応、宿泊者以外の入館は
公共スペースのみで夜7時までなんだけど、
ピンク髪が
キッチンでかいがいしく料理して、
その後コワモテの部屋に泊まったりしても
誰からも苦情はこなかったし
わても止めはしなかった。
3週間目に入って
宿代が入ってこないのが気になりだしたものの、
オーナーから
「彼はワーク・ペイ(会社から宿代をもらって払う)だから心配ないと思うけどねー」
といわれ、安心80%。
仕事をいくつかかけもちしていて、
ヒマがあればマウンテンバイクで外を走っているようだった。
ずっと部屋にこもりきりのドラッグ中毒客とは違うな、この人真面目にやってるのかな
と思っていた。
とはいえ宿代の支払いが止まった状態が続き
焦ってきた4週目。
ある早朝、
コワモテのドスのきいた罵声と、女の鳴き叫び声で皆が起きた。
「あ、あたしが何したってーのよーーー!😭」
カーテンを開けて外を見ると、
コワモテの部屋に泊まった
ピンク髪が、泣きながら
持参したエアマットレスと毛布をかかえて
通りへ出て行く後ろ姿が見えた。
そんなコワモテ(っつーか怖い)。
昼間は仕事中の彼に、SMSで支払い請求。
やっとつかまって一度レセプションに現れたものの、
カードの残高が足りず、支払いは翌日持ち越しになってしまった。
カードの残高が足りず、支払いは翌日持ち越しになってしまった。
この宿を気に入って、できれば今後数カ月、滞在したいようなことも匂わされて、すっかり油断してもうた。
「すまんすまん、明日、絶対払うからな。だいたい、夜逃げしたくてもできないほどの家財があるから、逃げられへんの分かるやろ? あっはは……。NO WORRY,ご心配なく」
しかし未払いのまま2日たち、3日たち。。。
とはいえ、
ほかの迷惑客に対しても、
キレて暴れた彼を目にして知っていただけに
部屋をノックするのがこわくて、
今日になってしまった。
エアコンの室外機はオンのまま、
締め切ったカーテンのすきまから
読書灯がついているのも見える。
いやな予感。
今日、
昼も夜もノックの返事がなかったから
夕方、思い切って合鍵で開けてみた。
(こーゆーの、全部ひとりでやるのがつらい。)
空っぽの部屋に、
渡した部屋のカギ2組が置いてあった。
マンマ・ミーア!
これは、逃げられたべ。
予感的中。
あーあ。
"泊まり逃げ"のあと片付け、
これで何件目だよ! 😭