怒りのミカン The Angry Oranges

2017年10月

この夏、イタリアで
けっこうな数のアルゼンチン人の
若い長期旅行者に出会った。

そして彼らの大半は、遠い昔に
イタリアからアルゼンチンへ移住した
婆ちゃんやひいばあちゃん、ひいひいひいひいじいちゃんなどの出生証明書やその他膨大の書類を手に、イタリアの各地役場に通いつめていた。

目的は、
イタリア(EU)のパスポートと
住民票、永住権を手にするため。

イタリアのパスポートがあればヨーロッパに好きなだけいれて仕事もできる。スペインへ行けば言語も同じだからバイト探しも簡単。

ナポリの宿でのボランティア仲間も
3人のうちふたりがこのクチだった。

イタリアの役場の仕事は恐ろしくのろいらしく
(誰でも察しがつく!)
「明日また来い」の連続。
それでもアルゼンチンでやるよりは早いんだって!

そんな中、
アルゼンチン在住の姉の分まで
申請をしていた仲間男子Aは
申請開始から4ヶ月たってから
「すべてやり直し」
といわれたらしく、
ある日の作業終わり、
宿のテラスで本気で泣いていた。
泣くなよ!

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仲間Bは苦労の末、
念願のイタリアのパスポートを手にして
オーストラリアへ去っていった。
EUパスポートは将来のためにとったけど
今はワーキングホリデーで1年暮らした
オーストラリアへ戻ってバッチリ稼ぎたいんだと。
かわいいオーストラリア人の彼女でも見つけて
オーストラリアで暮らしたいんだと。

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覚えたてのイタリア語とスペイン語、
英語のごちゃまぜで夢を語り
真新しいパスポートを手にして
スケートボードとギターを抱え
旅立っていった彼。

ニコニコと話す彼の目は輝いており
「一緒に夢を見させて!」
とついて行きたくなった。

ともに働き、
食ったり飲んだり
おなじ家(宿)で時間を共有していると
家族みたいになってくるせいか
別れが少し、いや結構つらかった。
そしてその1週間後
大好きな仲間Cもバルセロナへ去っていった。

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女の子Cちゃんはもともと
アルゼンチンでイタリアのパスポートを手にしていて
ボランティアをしながら
ナポリで仕事を探していたんだけど
イタリア語がまだカタコトのせいか就職が難しく、
とりあえずバルセロナで働くって。

20以上も歳が違うけど
わての仕事もよく手伝ってくれて
毎晩よく喋って酒飲んで

ほーーーんと、いい子だったなー。
わて、同僚運だけは相変わらず最強。

バルセロナぐらいならまだいいけど
オーストラリアだのブラジルだの
アルゼンチンだの行き先を言われると、
生きてるうちにこの子とまた会うことはあるんだろうか
とか最近思ってしまうよ、いかんいかん。

若い友よ、元気でね。

わてもそろそろ前へ向かって進まんとな~。(言ってみる)

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チャオ!



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今日の桜島。
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いやヴェスヴィオ山、ここはナポリ。
こうやって山と海を写真で見ていると
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のどかで静かそうな町に見えるけど。
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んなこたーぁない。(←タモリ)。
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通りは車だらけで街中が騒音。
ドライバーの運転マナーは最悪。
狭い路地にもバイクが我が物顔で
ひっきりなしに走ってくるから
油断するとひかれるか
財布のひとつもすられるか、
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(……いや、思ったより治安はずっと改善されてる印象。駅前の、スリで有名な通りにさえ大金を持っていかなければ大丈夫)
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イタリア語のナポリ訛は強すぎて
最初違う国の言葉かと思った。
有名ピザ屋の店員(↓ 写真奥)は
みんな腕とかにタトゥ入ってて
眼力強く、愛想笑いとかしなくて
本物マフィアみたいだし。
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営業スマイル率、
北のミラノと比べるとぐっと低い。
そんで
みんな強い、ダイレクト。

走ってきたバイクのおやじに
「どけどけ、危ねーじゃねーかよー」
と言われればこっちも拳を上下させて
「それはこっちのセリフだよ」
と怒りをぶちまける、
そんなのに慣れてきた。
インドかよ!
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ま、分かりやすくて嫌いじゃない。

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この町で週に2回
イタリア語教室へ。
ボランティアの先生に
無料で教えてもらえるという、
何ともありがたい人生のご褒美。
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長年ボランティアをやってきた甲斐があったってもんだわ。

なんかまとまりないけど
久しぶりに実家に電話したら
最近更新がないといわれ、
あー見てくれてんのか
見てる人いるのかーと思ってナポリのこと書いてみました。
明日はわての
ナポリ・ボランティア労働を紹介しましょう。
チャオ!
















まわりの平均年齢25歳、
ぐーっと若い仲間に囲まれて
ナポリの旅人宿でボランティア。
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アルゼンチン人、ブラジル人、フランス人。
社員はナポリターナばかりでイタリア語、仲間とはスペイン語、旅人たちとは英語な日々。


先日、チェックアウト後の
シーツ交換の仕事を始めようと
リネン室で準備をしていたら
レセプションのイタリア女子が、

ドーナツの盛り合わせに
ロウソクを指した皿を持って
まわりのみんなにも伝えるかのように
「チャオ、トモコ〜〜!!!
今日はあなたの誕生日〜♪」
っと最高の笑顔で現れた。



え…………? (ぽかーーん)



今日はわての誕生日なんかじゃないで。
8月に済んだで。
大きく首を横にふって否定した。


「え、違うのーーー? 夜勤担当のアントニーが
今日はトモコの誕生日だって、
昨日の夜知ったって言うから今慌ててこれ。。。」
と彼女。
前の晩、
誕生日の話なんで1秒も出なかったけれど、
みんな飲み過ぎていたから
話が混乱したのだろう。?

ともかく変な勘違いと演出に
みんなで笑った朝のリネン室。
「でも本当にありがとう、今日はわての誕生日じゃないけど、あなたって最高!!!」
わては
ドーナツやロウソクを準備してくれた
優しい彼女を抱きしめた。
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それで終わったかに思えたんだけど
午後になって夜番のスタッフが現れると
ひとりずつ、わてを見るなり
両手を広げて
「トモコーーー、お誕生日おめでとう!」
とやってくる。

ほんならもう、
今日10月吉日がわての誕生日でええわ。


   


わての本当の誕生日は8月29日で
今年はトスカーナの巡礼宿で
ひとりで働いていて、
その日が自分の誕生日だと言う相手もいなかった。
その日やってきた巡礼者は4人いたけれど
見合いサイトみたいなので知り合ったばかりの
若い(ダブルデート巡礼者”(? )たちで
自分たちの恋愛で忙しそうだった。


しかし過去2回の誕生日は
スペインの巡礼宿で
盛大に祝ってもらったことだし、
まー、こんな地味な誕生日もあるさと思っていた。

とはいえ、
やっぱり少しうら淋しい気持ちもあったからね。
勘違いでもこんな風に
おめでとーおめでとー言われて
あの日のうら淋しさをとり返したっちゅーか、
だんだん嬉しくなってきたわて。

宿のスタッフ部屋は
日もささずひどいもんだけど、
掃除中に客室バルコニーから見る
桜島(うそ。ヴェスヴィオ山)は今日も美しい。
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45歳。

歳とったよなーと思う。
白髪もシワも本格的! 

25歳たちと掃除婦として働き、
こないだなんて彼女とふたりきりになりたい男子に夜中に部屋貸すハメになってルームメイトとともに自分の部屋に入れなかったりして、
何やってんだおれはーーと腹が立った。
その他、
いろいろとうまくいかないこともあるけどさ、
でも
なんとか前向きに
元気でやってるよ。

いまアルゼンチン男子がビールくれた。
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↑ なんだかんだ、みんなわてのかわいい息子、娘。


ありがとう! (結局これ)






チャオ。























先週ナポリに来た。

ナポリといえば……
ピザ、賑やかな人たち、喧騒、雑踏、火山
(vesvioヴェスヴィオ山)、強い訛り。。。1999年に来て2、3泊しかしなかったこの町を
もう一度見に来た。

とりあえず外に出てみると……
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目の前にそびえる火山、海、広がる街

あ、わてのふるさと鹿児島か!?
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カゴだがねー。
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と、思ったのでした。


1960年代にナポリと鹿児島市は姉妹都市になり
鹿児島市内には「ナポリ通り」という通りがある。
そしてここナポリには
知る人ぞ知る
(宿の従業員5人のうち1人が知っていた)
「カゴシマ通り」があり、
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その坂道の途中には
「バー・カゴシマ」
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休業中(閉店?)みたいだったけど
こんなのれんがかかっていた。
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火山をモチーフにしたナポリのマークも
なんか鹿児島市のそれと似ているような。
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↑ 城前の文化遺産保護のサイン


若い時に来た時よりも強く
じわじわと
ナポリを身近に感じ、
好きになっております。
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そんでピザ
やっぱうまいがねーーー!

「ナポリ産のモッツアレラチーズは格別、
ナポリの日差しを浴びたトマトは旨味が違う」
と、
今まで出会ってきたイタリア人たちに
教えられた通りにうまい、安い!

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まだ来て10日しかたってないけど
ひょっとしたら
ものすごく好きかも、ナポリ。



チャオ!
















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