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かごしま16日目は
天文館(てんもんかん=鹿児島の繁華街)で
用事をすませ
老舗デパート山形屋(やまがたや)の最上階レストランへ行ってみた。
鹿児島で山形屋(やまがたや)を知らぬ者なし。
いまは東京にいるけれど
天文館でOL時代を過ごした姉に
どこで休憩したらいいかなーときいたら
「山形屋で名物のかたやきそばとビール」
とすすめられて。
気持ちよく晴れた平日の午後。
山形屋のエレベーターからは
青空と桜島がきれいに見えた。
桜島が見える席がなかったら
別の店にしようかと思っていた。でも
お願いしたらばっちりと、
正面に桜島が見える席に案内してもらえたよ。
遠い昔に来た時は
社員食堂みたいなイメージだったけど
いまは明るく落ち着いた
中華レストラン風、ちょっと香港風。
店の名物かたやきそばは
ぜんぜん待っていないのに
「お待たせしました!」
という日本的サービス文句とともに
丁寧に運ばれてきた。
で、でかい。
2人前はありそうな大皿。
これで700円は良心的。でも
ひとりで食べれるかなこれ?
食べ始めると、
ふと子供の頃、おばーちゃんに連れられてここに
来たことを思い出した。まだここが昭和の社員食堂風セルフサービスだった頃、
もう35年ぐらい前かな。
きっとばーちゃんはこのかたやきそばか
長崎ちゃんぽん、
私と姉はお子様ランチとパフェとか、食べたのだろう。
家に帰るとばーちゃんは夕食の席で
はりきって母に報告する。
「せっかく連れて行ってやったのに、こん子たち、“マクドナルーのほうがいい。東京に帰りたい” なんてぐちぐち言うがね、腹がたつー」
「あははは……おばーちゃん、“マクドナルー”じゃなくてさ、“マクドナルドだよ!”」
「なんね、こん子は、そーやってすぐ人のあげ足ばっかりとるー!!」
そんなばーちゃんも
ばーちゃん(姑)から苦情を受けて
「ダメじゃないあんたたちー」と
苦笑いしていた母も
とっくにもうこの世にはいないんだと思うと、
とたんに悲しくなってきて
目の前の桜島は
今日も黙々と煙を吹き上げているし
空はあまりにも青いし
44のおれは生きていて
ひとりでかたやきそばとビールを味わっているしで
なんだか分からないけど
涙があふれてきて少々慌ててしまいました。
少し鼻水もたらし
バレないようにティッシュでふきながら
がんばって完食したかたやきそば。
なぜ突然そんな
センチメンタルな感情に襲われたのかは
分からないけど、普段はあまり感じない
「故郷」というものを少々感じたよ。
店を出る頃には
桜島の噴火はおさまっていた。
天文館に詳しい(詳しかった)姉が
イタリアンでもフレンチでもなく
ここを勧めたのはなぜだろう。
個人的思い出は別にしても
「山形屋の最上階レストランで
かたやきそばとビール」
おすすめ!
チャオ♪
鹿児島空港にて。2017.4.30 午後。
かごしま16日目は
天文館(てんもんかん=鹿児島の繁華街)で
用事をすませ
老舗デパート山形屋(やまがたや)の最上階レストランへ行ってみた。
鹿児島で山形屋(やまがたや)を知らぬ者なし。
いまは東京にいるけれど
天文館でOL時代を過ごした姉に
どこで休憩したらいいかなーときいたら
「山形屋で名物のかたやきそばとビール」
とすすめられて。
気持ちよく晴れた平日の午後。
山形屋のエレベーターからは
青空と桜島がきれいに見えた。
桜島が見える席がなかったら
別の店にしようかと思っていた。でも
お願いしたらばっちりと、
正面に桜島が見える席に案内してもらえたよ。
遠い昔に来た時は
社員食堂みたいなイメージだったけど
いまは明るく落ち着いた
中華レストラン風、ちょっと香港風。
店の名物かたやきそばは
ぜんぜん待っていないのに
「お待たせしました!」
という日本的サービス文句とともに
丁寧に運ばれてきた。
で、でかい。
2人前はありそうな大皿。
これで700円は良心的。でも
ひとりで食べれるかなこれ?
食べ始めると、
ふと子供の頃、おばーちゃんに連れられてここに
来たことを思い出した。まだここが昭和の社員食堂風セルフサービスだった頃、
もう35年ぐらい前かな。
きっとばーちゃんはこのかたやきそばか
長崎ちゃんぽん、
私と姉はお子様ランチとパフェとか、食べたのだろう。
家に帰るとばーちゃんは夕食の席で
はりきって母に報告する。
「せっかく連れて行ってやったのに、こん子たち、“マクドナルーのほうがいい。東京に帰りたい” なんてぐちぐち言うがね、腹がたつー」
「あははは……おばーちゃん、“マクドナルー”じゃなくてさ、“マクドナルドだよ!”」
「なんね、こん子は、そーやってすぐ人のあげ足ばっかりとるー!!」
そんなばーちゃんも
ばーちゃん(姑)から苦情を受けて
「ダメじゃないあんたたちー」と
苦笑いしていた母も
とっくにもうこの世にはいないんだと思うと、
とたんに悲しくなってきて
目の前の桜島は
今日も黙々と煙を吹き上げているし
空はあまりにも青いし
44のおれは生きていて
ひとりでかたやきそばとビールを味わっているしで
なんだか分からないけど
涙があふれてきて少々慌ててしまいました。
少し鼻水もたらし
バレないようにティッシュでふきながら
がんばって完食したかたやきそば。
なぜ突然そんな
センチメンタルな感情に襲われたのかは
分からないけど、普段はあまり感じない
「故郷」というものを少々感じたよ。
店を出る頃には
桜島の噴火はおさまっていた。
天文館に詳しい(詳しかった)姉が
イタリアンでもフレンチでもなく
ここを勧めたのはなぜだろう。
個人的思い出は別にしても
「山形屋の最上階レストランで
かたやきそばとビール」
おすすめ!
チャオ♪
鹿児島空港にて。2017.4.30 午後。