怒りのミカン The Angry Oranges

2016年09月

前回の続き

コルーニャ空港からの飛行機は悪天のため
サンティアゴ・デ・コンポステーラの
空港から飛ぶことに。
外は凍える寒さで霧だらけ。
乗客全員、バスに乗せられてサンティアゴの空港へ送られた。

そもそも、朝は霧だらけのガリシアに
空港があることのほうが信じがたいよ。

ともかく
午前7時コルーニャ発のはずの飛行機は
9時前すぎサンティアゴ発に変更。
バルセロナに着陸した時は
わてが乗るはずだった
スプリット(クロアチア)行き09:45の飛行機は
もう搭乗ゲートが閉まっていて乗り逃した。

今回の航空会社は
vueling air
スペインのイベリア航空系の格安航空会社。
vuelingのオフィスへ行くと
係員女子がコンピューターをたたきながら
うなりだした。

わて「ちょっと、何うなってんの? 頼むからこれ以上変なこといわないでよね!」
女子「うーん、あなたにはこれから、
パリに飛んでもらっていい?」

わて「que dises? ケ、ディセス、何言うねん?」

女子「今夜パリに1泊して、明日パリからスプリットに飛ぶ他社便に乗って下さい。それ以外は満席で、ほかに方法がないの」

しかし女子に問い詰めると、
同じクロアチアのドブロブニクニク行きなら、
パリにいかずここバルセロナから飛ぶ便があるという。とはいえ明日の便だからどちらにしても1泊する必要があるけど、パリには飛ばなくてすむ。バルセロナ1泊かパリ1泊か、ホテルと食事代は保証してくれるというが。。。

スプリットから
どっちにしろ南下してドブロブニクにも寄るかもしれないから
ドブロブニク行きを頼みかけたがやっぱりやめた。

今日のスプリットでの宿は
珍しく事前ネット予約してしまったのだ。
当日のキャンセルは100%の支払いかもしれないけど、日にちの変更なら損失はまぬがれるかもしれないし、行ったことのないスプリットは少し気になる。

よってパリに飛ぶことにしたのだが、
やはり荷物が出てこなくてクレームオフィスへ行くはめになりドタバタ。
荷物広場、オフィス、パリ行きのチェックイン、荷物チェック……
広い空港内の移動はとにかくいちいち道に迷うし
何もかも一回でうまくいかず骨が折れる。。。

そしてパリ。
「パリに着いたらvuelingオフィスに行って
この書類を見せて下さいね。
ホテルの手筈はついているから」
といわれたが案の定オフィスで書類を見せても
「は? そんなことでホテルの面倒はみれませんよ」
とかいわれてさ、
また1から説明のし直し。
手筈が分かっている係員の登場まで
かなり待たされた。

そしてHotel Ibis のせまい部屋になだれこんだのが午後5時すぎ。
晩飯は豪華なブッフェだったが
恐ろしく無愛想な
フランス人ウェイトレスのせいでまたぐったり。
スペインとは隣の国なのに
何もかもが違うアウェイ感。
さっそくスペインが恋しい。

しかしそれにしても
今年の夏は今回の件にかぎらず
決まるかもしれなかったジャパン帰国仕事がキャンセルになったり、チュニジア行きのチケットを買ったけどやめて捨てたりとか、何かと予定外のまわり道っつーかね、多かったよ。

‌だけど健康を害したとかではないので
まーしゃーないかー。
予定外の大量ボランティアやカミーノはよかったしー。

と思うことにして
この`まごつきタイフーン'の終わりを
(まだ続いているとすれば)
じっと目をつぶって耐えようと思います。

今乗ってるこの飛行機が無事につけば
今日から17年ぶりのクロアチア。

「ダー。」(クロアチア語でyes)

クロアチアからモンテネグロやアルバニア行きたいわけで。
違う風が吹いてくるとええけどな。

そんなわけで
さらばスペイン、
さらばシェンゲンユニオン。

(滞在7日オーバーで注意されたが罰金120ユーロはまぬがれたメルシー♪)

ダーー。









長い1日。

あまりに物事がスムーズにいかなかった(まだ終わっていない?)今日の移動について書きます。あまりみなさんには関係ありませんし、
よくあることっちゃことなのですが、
わての中では地味ながら久しぶりに「やれやれ」な体験だったので記録しておきたいだけです。
単に「交通運」が悪かったってだけなんだけど
長くなるので、忙しい人は自分の持ち場に戻ってください。

今朝、
サンティアゴ・デ・コンポステーラの北のコルーニャという町の空港から、バルセロナ経由(乗りかえ)でクロアチアのスプリットへ飛び、午後にはクロアチアに着いて港でのんびりしているはずでした。

ちなみにわては地の果てMuxìaまで
カミーノを歩いたあと、
聖地
サンティアゴ・デ・コンポステーラに戻り再滞在。
サンティアゴ・デ・コンポステーラから、
コルーニャの町の空港まではバスで1時間半程度。
しかしわてのフライトは朝7時発で、それに間に合う早朝バスがなかったため、
前日の最終バスで空港に乗り込んでおきまりのベンチ泊を覚悟しておりました。

ところが昨夜バスターミナルへ行くと
「コルーニャ行き?
町までは行くけど空港には行かないよ。
コルーニャと空港を結ぶバスは、
この時間もう終わっちゃってるよ」

わては窓口のおっさんに詰め寄った。
「que? que dices????
(ケ・ディセス? はっ、なにをおっしゃる??)」


1週間前、
最終バスの時刻をききにきた時、
窓口のセニョーラに「空港も行く」と確認したような気がしたが、
気がしただけのため
もう一回宿の人にでも確認しなきゃと思いつつすっかり後回しにしてしまった。

その上なんとなく空港も行けるもの、
と希望的解釈および処理してしまったわて。 
時間は十分あったのに、サンティアゴはもう飽きたとかいって余裕ぶっこいて宿で仮眠等していた自分が悔やまれる。あー、1時半前、1本前のバスにしておけばよかったー!

と、
後悔してもしょうがないので
ともかく6ユーロ払って夜9時すぎのバスに乗り
コルーニャへ。
話通りバスターミナルはすでに静まり返り
コルーニャと空港を結ぶバスはすでに終了。
空港まではバスだと12km
3.5ユーロらしいが、
タクシーの「運セニョール」にきくと
深夜料金で19ユーロだという。高っ。

「空港って24時間開いてる?」

せっかくタクシーで行っても
追い出されるんじゃしょうがない。
この点を「タク氏」に確認するわてって賢いなーと少々得意気にさえなっていた。

「深夜1時半には閉まって5時頃開くよ」

「じゃ今行けば
まだ入れるってこと?(←希望的解釈)」

「そうだね(←言わせた)」

そしてタクシーで空港到着。
23:30、
静かな空港の1角のベンチを確保して
寝袋にくるまった。
となりには年配のスエーデン人女性ふたり組ペリグリーノ(巡礼者)がいて安心。

ところが午前1:15、
館内の照明も薄暗くなっていい感じで眠りについていたところ、
いきなり巨大なフラッシュライトで顔を照らされたわてら3人ペリグリーノ。

女性警備員「今すぐ出ていってください。
ここでは寝れません!!!」

私「que dises?(ケディセスなにを言う?)」

わてとスエーデン人女性ふたり組は
暗い空港内で
なんかの凶悪犯人かのように、
数十メートル先から
女性警備員にフラッシュライトをあてられ
完全包囲(ひとりだけど)された状態で
荷物をまとめらさせられ、
空港を出るはめになったのでした。

わてら以外の客はもう誰もいなかったから、
警備員はおそらくそれまでわてらの存在に気付かず見過ごしてしまったのだろう。

「えーー、この寒い中、
外で寝ろっていうの? 
じゃせめてその前にトイレにだけ行ってもいい? 

「ダメです。今閉めないといけないの」
女性警備員は怖かった。
しかし寒いだの死ぬだのとスペイン語で喋りだすわてに、こいつらはテロリストではないと悟ってくれたのか、同情心でもわいたのか
「すぐ戻ってくるならトイレだけ行っていいわよ、待ってるから」
とトイレへの許可を出してくれた女性警備員。

そして自動ドアからロビーの外に出されたが、
その5メートルぐらい外には
幸いもう一段階ガラスの壁があって、
その内側空間にいてもいいといわれた。

ふーーーー、
室内とはいえないが外ではない。
凍死はまぬがれた。
そこにはベンチがなく、
冷たく固いコンクリートの床に
寝るしかないが、外でないだけ御の字だ。

「こんな適当な囚人みたいな扱いをされた
空港って初めて。
スペインおそるべし。
あんなライトで顔を照らされるなんて。。。」

「空港の床で寝るなんて、
カミーノ以上のアドベンチャー」

ありがたかったのは、
こうやって上品なスエーデン人のオバ様たちとコソコソ話せる相手がいたことで、
床が冷たくて固くて寝れはしなかったけれど、
ともかく5時前まで横になった。

そして朝6時、
ようやくフライトのチェックイン。

「悪天のため
飛行機が1時間半ほど遅れる予定です。
機体はいまサンティアゴ・デ・コンポステーラで
待機中でして。。」

と係がわてにいい終わらないうちに電話が入り、

「あ、新しい情報入りました。
飛行機はここコルーニャからではなく、
サンティアゴ・デ・コンポステーラの空港から
臨時出発することになりました。
バスを用意するのでみなさんには
ここからバスで
サンティアゴ・デ・コンポステーラの空港に向かってもらいます」

へーーーーーーっ!!! 

数時間前、
わてはすごーく頑張って、
サンティアゴからわざわざバスとタクシーを乗り継いでここまで来たっつーのに、
またサンティアゴ戻るんかい!!??。。



(つづく)








サンティアゴ・デ・コンポステーラに
着いたことよりも、
15ユーロで個室に泊まれることのほうが
嬉しいカミーノ3度目。
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2週間しか歩いてないからね、
ゴールの感動とかないよ。
「ゴール」、とか最初から目指してないってのもあるし(これは長期で歩いた時も!!)、あと3日ぐらいは歩きたいし。

今日18km歩いたんっすけど
プリミティボの山道で鍛えられた
わてらにとっては道が平坦すぎて
「おもしろくない」
とささやきあった。
(わても、`カミーノ友情`や`カミーノ恋愛`はもういいやって人が陥りがちなアスリート系ペリグリーノになりかけとる??)

1時半にはあっさり
修道院アルベルゲに着いてしまい
個室にこもってワインとwifi祭り。
まだコンポステーラさえ見ていません。

それにしても
ペリグリーノの多さには驚いた。
2010年のホーリーイヤーに歩いた時よりも
圧倒的に、爆発的に増えているペリグリーノの数。
もう9月末だっちゅーのに。
映画の影響もあるのか
アメリカ人のペリグリーノも多いぜ。
(でかいアメリカ英語で喋りながら歩いとる)
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ピカピカの服、靴、小さなバックパック。

サンティアゴ100km手前のサリアからだけ
ちゃちゃっと歩こうという
なんちゃってペリグリーノ、
ツーリスト+ペリグリーノ= 
turísto +peregrino = 【turigrino トゥリグリーノ】
の急増化ぶりにもびっくり。
スペインもガリシア州もウハウハ!?

【turigrino トゥリグリーノ】
= 観光半分でたいして歩かないくせに
安いからとアルベルゲを利用するため
遅く着いた本気ペリグリーノが公共アルベルゲのベッドにありつけない事態が多発。

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↑ こーゆー皮肉の落書きも増えるわけだ

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短い日数でカミーノを体験したい場合、
ゴールの感覚を味わいたいがために
サンティアゴ手前から歩く人が多いけど
(特に遠方から来る人)
私はできればもーーっと手前の
空いている道や絶景ルートを選んで歩いて、
さらにどうしても
コンポステーラも見たいというのであればバスで行くとかすればよいと思います。
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↑誰もいないカミーノ写真を撮るのでさえ難しい。

短期ならなおさら、
一瞬のゴールにこだわるより
幾日かある歩きの体験を厳選したほうが
'カミーノ魂'をより味わえると思うわけで。。。。

っと、多くのトゥリグリーノを
追い越し、追い越されながら
余計なお世話を思ったのでした。
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2週間あれば絶景のプリミティボもおすすめ。

わては来年はカミーノ・ポルトゲース(ポルトガルの道)
を歩きたいっす。

ポルトガルの道も、評判なのは
ラスト2週間の道で
しかもフランス人の道(大名行列)やその他の道と
一切合流せずにサンティアゴに到着できるってのがいい!!
カミーノルートマップ⇢
http://moritomoko.blog.jp/archives/65910128.html">

個室wifi、最高だけど
だらだらしすぎてダイエット的にはだめだね。
明日歩けるかな?
ブエンカミーノ♪


あ、1つ前の記事も同日公開しました。






8月上旬にボランティアをしていた
あの有名なGrañonグラニョンのアルベルゲの
寄付金箱に誰かが入れてくれた。
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カミーノ貝殻印の
手作りネックレス。
陶細工かな?

わてらホスピタレーロ(ボランティアスタッフ)
3人にあてたと思われる、
大小形が色が微妙に異なるものが3つ
募金にまぎれていれられていた。

宿泊料、食事代はとらず
寄付金制のアルベルゲ。
寄付金箱はカギなし、フタ全開の完全オープン。
「寄付金を入れて下さい。または必要であればここからお金を取って使って下さい」
の貼り紙があり、わてらが
1日2-3回、回収するんだけど
これを見つけた時の「うわーっ!」という
うれしい気持ちといったら。。。

ひとしきり
ホスピタレーロ3人で喜び
ひとつづついただき、それから
「誰が入れてくれたんだろう?」
の話で盛り上がった。

そんなネックレスを
いまこそつけてカミーノ・プリミティボを歩こう!

とはりきって、
丈夫なヒモを手芸店で買って
つかかえようとしたら本体が
バックリ割れたカミーノ2日目。
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人生は厳しい。
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 ↑カミーノ・プリミティボは美しい。

だけど、
瞬間接着剤で修理して
なんとか持ちこたえてます。
今回、杖も貝殻もないけど
これがわての友。
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どこのどなたが存じませんが
くださった心優しきペリグリーノよ、ありがとう!


ブエンカミーノ♪








美しき朝。
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雨地獄は丸4日続いて終了。
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サンティアゴ・デ・コンポステーラに
着くまでがカミーノ・デ・サンティアゴなのかもしれないけど

サンティアゴ手前の60km地点、
茹でタコで有名なmelideメリデ
という町でカミーノ・プリミティボは
あの有名なカミーノ"フランス人の道"と合流!!

これはもう、ペリグリーノだらけの
大交通渋滞に違いない!
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↑緑の線がフランス人の道 (2010年歩いた)
北海岸沿いの赤線がノルテ(2014年歩いた)
そしてノルテの延長でもある淡青色の短い線が
わてが今回歩いたカミーノ・プリミティボ。
2週間程度の山コース。
 説明遅れたね。


というわけで
今日が純粋なプリミティボの道
最後だね、といいあいながら
静かなカミーノを楽しんだ。
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↑ 世界の国々、そしてカミーノ
いろんな話を、そして歩きを共有した
オランダ母とももうすぐお別れ。
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前半チームの雰囲気になじめなかったけど
チームがえして大正解!

夜、茹でタコ屋へ行ったら
プリミティボメンバーがほぼ全員集合していて
ちょっとしたお疲れ会に。
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↑また食うタコ🐙

ここから先は喧騒を避けてバスで
サンティアゴまで行く人、
今日で終了する人、いろいろ。
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ガリシアの木は大きいよ。↑

わては明日からどーしよーかなー。
ここから先は過去にも歩いてるし。。。

まあいいさ、
なんとなく一区切り。
気分スッキリ
ブエンカミーノ♪
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